『大学生は自由で、遊んでばかり』——そんな夢のような大学生活を想像していた。大学のパンフレットには、キャンパスで友人と楽しむ姿や、自由な時間を満喫する学生の写真が溢れている。私にもそんな輝かしい未来が待っていると思い、胸を躍らせていた。
しかし、私を待っていたのは、128日間、休日どころか年末年始も含めて休むことなく、毎日12時間以上研究に勤しむ日々。この記事では、現実が示す、大学生活の知られざる一面を語る。
きっかけ
2023年10月28日から、私は「100日チャレンジ」という企画をXでやっていた。
・当時、来年1月に学会発表が決まっており、研究を進める上で、より高いプログラミング能力が必要だった。そのため、「学習する習慣を付ける」ために始めた。
・この企画をDay20あたりで教授に話したところ、教授は非常に興味を持った。
・教授にこの企画自体を研究にすることを提案され、更にその後国際学会で発表することまで決まる。
こうして10月28日から翌年3月2日までの128日間、私は毎日「研究」をすることになった。
この企画って遊びだったの?
プログラミング学習が目的ではあったけど、これはあくまでXで投稿し、みんなにバカな企画だと笑われながら行う、単なる「お遊びドM企画」だったよ。
ただ、これを「研究」として表舞台でやることになり、手を引けなくなっちゃったの…。
この期間に行ったこと
この128日間では、以下のようなことを行った。
・ソフトウェア開発(ゲームやツールを開発し、その成果物を動画で投稿)
・企画の進捗、ソースコード、ChatGPTのログについて毎日文書で教授と共有
・スペイン・グランカナリアに行き、国際学会(EUROCAST)で発表
・学会(研究会)で招待講演
・先生の講演や来賓や先生の共同研究者との飲み会などへの付き添い
先生に色々なところに連れて行かれて大変だね。
毎週のように飲み会に呼ばれてたけど、行き先では結構歓迎されていたので、悪い気はしなかったよ。
どうしてそんなに色々と連れて行かれたの?
先生から誘われた時全部「Yes」と答えていたら、いつの間にかこうなってた。
一番大変だったこと
1月の初めに、学会、テスト、レポート提出が全部被った。
・学会(招待講演)については、随分前に決まっていたので、発表するだけで問題なかった。
・ただ、別の学会(研究会)に行くことを頼まれた。一人直前に失踪したらしく、先生が持っている発表枠を埋めるために行くことになってしまった。
・テストとレポートは大学の授業で出たもの。
どうやって対処したの?
テストは直前に2時間だけ勉強した。レポートはChatGPTにアシストしてもらい、1つ30分で終わった。後は企画以外の時間を学会に投入したら対処できたよ。
綱渡りすぎるよ…
私の人生、ずっと不安定で行き当たりばったりだからね。
でも、企画については年末年始返上で貯金を作ろうと頑張ったんだよ?結局作品の質が向上しただけでストックはできなかったけど…。
ブラック研究室の日常
私がいた研究室では、こんな感じだったよ。
12時半に出勤なんて楽じゃん!
12時半に午前中の「成果報告」をしないといけないんだよ…。
帰宅して何してたの?
酒飲んでるかゲームするか、かな。
楽しそうじゃん!
そうでもしないとやってられないよ…。
その後
グラン・カナリアに行き、国際学会で発表し、128連勤は終了した。企画終了後は論文を書いたり、取材されたりしており、28日間はそれに費やしている。
そのあとは先生が出張するって言ってたから、その間に海外旅行していた。
卒業旅行?いいね!
ところで、ブラック研究室出た人は社会人が楽だと感じるらしいけどどうなの?
ちゃんと定時に帰れるリモート勤務の会社だから、研究室よりは楽だよ。
…ただ、私は社会人になっても博士課程に入るために論文書いているし、講演依頼も来るから、正直あんまり変わらない生活をしてるよ。
おわりに
そもそもこれって許されるの?
色々と調べたら、こういうことがわかった。
・学生が自らの研究を長時間熱心に行うのは、学生として本来あるべき姿
・そもそも研究室はブラックなのが当たり前。
※研究が計画通りに進まないのは当たり前であり、研究成果を発表するスピードや質での熾烈な競争もあるため。
・学生が担当している研究以外のことを指示した場合は労働扱い
→ 私の場合は、「学生の研究を先生が指導している」ため、「研究としてあるべき姿」
凄い世界だね…。
ただ、教授からしたらこの程度の長時間労働は普通らしいので、多分教授はサイボーグか死神のどちらかだと思う。
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